☆これまでのあらすじ☆
マルス王子の住むアリティア家で、グラ家の狼藉を受けたので、家から逃げだそうとするところ。
−−−−−
僕は広間を出た。
そこに待っていたのは、見知らぬ2人の男。
誰だっけ……?
あ、1人は、先日入隊したばかりの期待の新人・フレイだ。
ニューフェイスとはいえ、彼はすでにオッサンと呼べる年である。
いや、それとも単なる老け顔か……?
そしてもう1人……誰だ?
???「……アベルです」
僕 「そんな馬鹿な!」
自称アベル「王子!私の顔を忘れたのですか?!」
僕 「だって、僕の知ってるアベルの顔は、

……だよ?
だけど君は、全然出っ歯じゃないじゃないか」
自称アベル「……誰ですか、この胡散臭い男は……」
僕 「”誰ですか”じゃないだろう、これぞ正真正銘、僕の部下・アベルだ。
お前こそ、アベルの名を騙って何をたくらんでいるのだ?!」
すると後ろで見ていたフレイがおずおずと言った。
フレイ 「あの〜、すでに目前に敵が迫って来てるんですが……」
僕 「ちっ、しょうがない、自称アベルの件は保留にして、応戦だ!」
目の前の敵さんたちを次々に屠り、外へ出る。
しかし、一体グラ家って、何人の人がいるんだろう……多すぎやしないか?
外へ出ると、ジェイガンとカインが待っていた。
相談の上、砦を越えて北に逃げようという話になった。
そして、砦には、ゴードンがいた。
ゴードンは、猿ぐつわをかまされた上、亀甲縛りをされていた。
マルス「何やってるんだ、ゴードン? ひとりSMか?」
ゴードン「もが……もが……」
マルス「そうかそうか。恥ずかしい趣味に打ち込んでいる姿は、誰にも見られたくないもんな……」
心優しい僕は、ゴードンの亀甲縛りを猿ぐつわを外してやった。
するとその時、後ろから、グラ家の家長・ジオル率いる、もの凄い数の敵増援が現われたではないか!
モロドフ「マズいです、あれは。誰かを囮にして逃げましょう」
僕 「では、あんた囮になれ」
モロドフ「無茶いわんでくださいよ〜」
僕 「んじゃ、僕自身が」
モロドフ「やめてください」
僕 「そうだな……、どうせ誰かを犠牲にしなければならない。
では、僕たちの部下に胡散臭い男がいる。彼にやらせよう。
そこの、」
僕は、自称アベルの方を指差した。
自称アベル「………………」
彼は、ものすごく怖い顔をしていた。
……あかん。彼を囮にしたら、呪い殺されそうだ。
じゃあ、誰を犠牲にすればいいのか?
ジェイガンの顔を見る。
ジェイガンは力強く言った、「わしは、嫌じゃ」
他の面々も、”囮にはなりたくないオーラ”をプンプンさせている。
仕方がない……かくなる上は……、
僕はポケットからサイコロを取り出し、紙にこう書き付けた。
1.ジェイガン
2.カイン
3.アベル
4.フレイ
5.ゴードン
6.振りなおし
コロコロとサイコロが転がる。
息を呑んで全員が見つめる中、サイコロは、
1を上にして止まった。
僕 「すまん……ジェイガン……」
ジェイガン「う……ご命とあらば仕方がありません」
僕 「うう……ジェイガンのドラゴンナイト姿を見たかった…………」
かくてジェイガンは、囮となり、見事な最期を遂げた。
だけど、1つだけ、不可解なことがある。
ジェイガンは、僕に変装して敵を撹乱したわけだけど……、
それを見間違えるだなんて、ジオルという男は……、
ちょっと眼科へ行ったほうがいいと思うよ?
−つづく−
※この話はフィクションです※






